レクリエーションは介護予防にも活かせるので、介護の現場では欠かせない。実際に参加した利用者について、いつも無表情の人が微笑んだ、生きる意欲を引き出すことができた、など、レクリエーションによる行動変容の事例が数多く報告されている。このようにレクリエーションは生活を楽しくし、QOLと呼ばれている生活のクオリティ向上にも役立つのだ。それでは、介護の現場でレクリエーションを援助する介護スタッフには、どのような役割や方法が求められるのだろうか。
まず介護レクリエーションの主な目的は、利用者の自己決定と自己選択に基づいた、自立援助をすることである。したがって援助者は、レクリエーション活動を通じて、利用者の生活や人生に楽しみや喜びを与え、生きる意欲を引き出しながら、自立を促すことが大きな役割となる。そして援助の方法についても、個別援助の観点から、利用者一人ひとりの好みや関心あるいは価値観などに合うように、介護レクリエーション財をアレンジする必要があるのだ。例えばお手玉やおはじきなどを使用する、レクリエーション財の宝庫として知られる伝承遊びなどは、高齢者の方にも受け入れられやすいため、有用だろう。
さらにレクリエーションをするにあたっては、ホスピタリティの精神も必要になる。介護スタッフがプログラムに従って機械的に進めるのではなく、親切なおもてなしの心によって、個別援助のように進行していくことが重要だ。こうすることで、利用者の心身の活性化へとつながる。